麻 布 七 不 思 議





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二.  七色椿


麻布区史に掲載された
「七色椿」
麻布区史に掲載された「七色椿」
暗闇坂を登り氷川神社方面の右手に、七色の大輪の花をつけ、枝を四方に張り咲き乱れた東京でも有数の椿の銘木が あった。別名「化け椿」。この地は、明治の官僚・政治家であった渡辺千秋の長男、実業家で司法大臣、 日仏銀行頭取千冬氏の邸あった。弟は隣接地がま池を屋敷内に持つ渡辺国武子爵で、「がま池」、「陰陽石」、 「七色椿」と麻布七不思議のうち3つを兄弟で所有していたことになる。西町22番地(現在の西町インターナショナルスクール辺)。 昭和12年に枯死。

麻布区史には、
西町22元加奈陀公使館、現クレーン邸内にある。以前は諸岡某氏の邸であった。幹囲1.3米、数株の幹が合したように見へてゐる。古来朝晩花の色を異にすると云って化椿の異名があり、 麻布七不思議の一に数へられた。思ふにこれは数株の椿樹を一纏めにして植えたのが抱合癒着して成長した為めに、 花の色に相異が出来たのであろう。惜しい哉、近年枯損して今は残骸を止めてゐるに過ぎない。〜
とあり麻布区史が出版された昭和16年(1941年)には、すでに枯死していたことが伺える。
時代劇小説「耳袋秘帖 麻布暗闇坂殺人事件」では「お化け椿」として描かれている。

麻布区史は天然記念物の項目この七色椿の他に下記を掲載しているが、現存するものは少ない。



麻布区史に掲載された天然記念物指定樹(昭和16年当時)、その他の銘木
分類No.樹 名場 所現存備 考





1.善福寺の公孫樹麻布山善福寺境内昭和20年5月の空襲で焼けたが、戦後自力で再生
2.旧徳川邸のキハダ飯倉町貯金局構内×貯金局は現麻布郵便局。
3.秋葉社のビャクシン森元町×ビャクシン属(柏槇属)は、ヒノキ科の針葉樹の一種。
4.元加奈陀公使館の椿西町×七色椿・化け椿とも
5.一本松一本松町麻布七不思議の一つ。現在の木は戦後植え継がれたもの
6.羅漢松内田山南山小学校校庭×樹上空洞に白蛇が住むと伝説されたが昭和13年の暴風雨で倒壊
7.岡の桜飯倉片町×江戸期の御殿医「岡仁庵」邸にあったしだれ桜。
大田蜀山人に、「永坂に過ぎたる物が二つあり、岡の桜と永坂の蕎麦」と詠まれた。





8.佐々木邸の藤富士見町×樹齢200年の藤。他所に移植
9.木下桜麻布広尾町×江戸名所花暦に「ただ小山に雲をあびたるが如し」と記される彼岸桜
10.曹渓寺老松本村町×別名「絶江の松」
11.光林寺の桜富士見町×江戸名所花暦に記載
12.楊枝杉麻布山善福寺×親鸞押給の大樹の杉。山中の岩の中より生じたる木とある
13.天真寺の銭懸松本村町×天真寺の銘木




港区内の天然記念物指定樹木(港区みどりと生きもの2010掲載)
No.樹 名場 所指 定備 考
1.善福寺のイチョウ麻布山善福寺国指定樹齢750年以上 幹周り:10.4m
2.旧細川邸のシイ高輪1-16-25都指定幹周り:8.13m 樹高:10.8m
3.芝東照宮のイチョウ芝東照宮都指定幹周り:6.5m 樹高:21.5m 推定樹齢370年
4.増上寺のカヤ芝増上寺区指定幹周り:4m 樹高:25m 推定樹齢600年
5.氷川神社のイチョウ赤坂氷川神社区指定幹周り:7.5m 推定樹齢400年









<関連項目>
・麻布名所花暦











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